ウルトラセブン:第1話”姿なき挑戦者”・特撮(写真をクリック拡大)
ふんだんに使われた合成画像。何もない空中から攻撃を受けるフルハシ、ソガ隊員。謎の青年が空を透視すると、円盤が見え、光線はここから発射されていた。傷を負った隊員を岩陰に避難させ、隙をみてポインター号に乗り込み攻撃を弾き返すバリヤーで車全体を覆った。
この2カットは実写にアニメイションを被せる合成で、不思議な現象を視覚化する手段として使われた。特にポインター号は動き始めるので、これに合わせたアニメイションのバリアーは手間がかかり、屋根に弾かれる光線もあるから複雑な光学処理が必要になる。円谷プロには”ウルトラQ”・”ウルトラマン”を経験して、英二氏を”師匠と仰ぐ”優秀な光学処理スタッフが育ち、この様に手間のいるカットを若さと情熱でクリアーしていった。さらに、ウルトラ警備隊員は今なら珍しくもないテレビ電話を腕時計のように手首に装着。本部との連絡に使っていたが、ここに映る画像も”切り合わせ合成”と呼ばれる、複数の画像から単純な線で区切り(山の稜線とか柱など)必要な部分を合成して1ツの画像にするものだ。
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ミニチュアワークも贅沢に使われていた。この作品ではカプセル怪獣・ウインダムが出現すると、怪獣の巨大さを表現するため、山や崖を小さくしたセットが作られる。アルバイトの美大生が特撮監督の指導で小さな木を植えたり、岩肌に色を付けたり、細かい作業を何日もして、セットを完成させる。圧巻だったのは”京浜工業地帯の爆破”シーンだ!このミニチュアセットでは煙突、工場、石油タンクと工業地帯らしさを出すために沢山の作り物をセット一杯に飾り付ける。そこに円盤からの攻撃が始まると、次々に爆発、炎上。数分で、セットが全て燃えカスに変わる。勿論、カメラは一台ではなく、数台使われるがこのセットに一体いくらかかったのだろう?こうして、1・2分の或いは数十秒のカットに十万単位の金が消えて行く!特撮とはそう言うものなのだ。
バンクシーン(ライブラリー)は先行して撮影されていた。第1話では、ウルトラホーク1号とポンター号の出番だけで、ホーク2号・3号。潜水艦、ハイドレンジャー。地中を進むマグマライザーは画面に現れなかったが、ウルトラセブンではメカにも力を入れていた。特に男の子は車や飛行機が大好きだ。当時ヒットしていたTVアニメ”サンダーバード”の人気も、こうしたメカに負う所が大きい。
当時は流行っていたプラモデルでも、人気があるのは戦艦や飛行機、車の類だった。私が円谷と契約したのは、本編のクランクイン前だったが、時々、”美セン”に顔を出しては、特撮なるものを見物させてもらった。そんな折、スタッフが”サンダーバード”と言っているのを数回聞いた記憶がある。きっとホーク1号発進のバンクシーンもサンダーバードの影響を受けていたのだろう、出撃するまでに数分の長さがある。
まずはホーク1号が地下格納庫から水平に移動し、発射台に向かって垂直にセリ上がってくる。発射台では、エンジンに点火。ゆっくりと大空へ舞い上がって行った。ここから先が面白い!
空中で3機に分れる。まずは、土台になっている細長いアルファ号から、上に乗っているベータ、ガンマー号が連結したまま飛行。空中でベータ・ガンマの2機に分離。合計3機で、見えない円盤との空中戦になる。このエピソードでは、3機がそれぞれ違った役目を担い、1機は円盤に特殊な染料を噴きかけ、姿の見えたところで円盤に総攻撃を仕掛け、任務が終了すれば、再び連結してホーク1号に戻る。この複雑な飛行を、大空を描いたバック(ホリゾント)の前で操演が操る。当然、ミニチュアの飛行機はピアノ線で吊るす。照明を当てると線が光るから、それを消す為に”ドロ絵の具”を親指と人差し指でピアノ線に擦り付け、反射を消す。これも立派な特撮だ!手間を惜しめば、仕上がりが安っぽくなる。この様に人手と暇とお金を掛けて、特撮番組は仕上がって行く。
放映(視聴率)の結果がよければ万々歳だが(この作品は予想通り30%を超える視聴率だった。)、悪ければ容赦なく番組は途中で打ち切られる。それは、それは厳しい世界でしたよ(苦笑)。
(映像の著作権は円谷プロに所属します。)
一度は聴いて You Tube!安藤達己が撮影した動画をバックに安藤達己が作った音楽が5曲!:このページ左上・赤字・安藤達己オリジナルソング:下:Sampaguita・Bosanova- princess・サンパギータ・ボサノヴァープリンセス・Waiting をクリックして下さい。