ダヴァオ紀行:その40 養豚業(写真をクリック⇒拡大)
或るレストランでの出来事だった。高校生を連れて日本食を食べさせようとメニューを見ていたら、”ポークカレーとトンカツが良いよ”と奨めてくれる人がいた。意表を突かれて私が振り向くと”ここの豚肉は私が育てたブタだから”と笑っている。”そうですか”と答えて、その通りに注文してみると、なるほど美味しい。ダヴァオの牛肉は硬いが、これまで食べたビサヤンチキン(地鶏)と豚肉はたしかに格別だった。この御仁、F氏と称したが”ブタは飼料で肉質や味が変わる話や、アクが多くなる原因について”薀蓄を傾けた。こうなりゃ、野次馬根性では負けない私だ!早速、豚舎を見せて貰う約束を取りつけた。
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ホテルを出発・メインストリートを30分走ると、ミンタルと言う町に入る。ここを右折するともう舗装されてない道だ。水溜りのある登り道をスリップしながら、ゆっくり進む。木の種類は違うが里山のような地域で遠くに養鶏所らしき建物も見える。市の中心部からそんなに離れていないのに、空気は綺麗だし、まるで田舎に来たような風情だ。すれ違ったバイクの若者が挨拶して通り過ぎた。F氏の従業員だそうな。もう人家らしきものもほとんど無く、水溜りを避けて車を止めたところが養豚所だった。池には、なにやら稚魚が沢山いたがテラピアの養殖をやっていた名残だとかーーー原っぱを横切ると、コンクリートで敷き詰められた一角が豚舎だった。何百匹単位でブタを飼育するほど大掛かりじゃない。母ブタが10匹足らず、種ブタが一匹で、同じ日に生まれた子豚が12匹ほど、数箇所ある区切られた囲いの中でそれぞれに同居している。中は清潔で、農家の庭でドロだらけになっているブタとは大分違う(苦笑)。母ブタは4ケ月の妊娠期間で平均、12匹の子ブタを生むそうな。4ケ月で100キロに育ち市場に出す。レチョン(ブタの丸焼き)用は2ケ月で40キロ程度。値段はキロあたり70~100ペソだとか。
飼料は主にクズ穀物で、経費削減のため従業員が買出しに行き、ここで配合している。他にも肉質を良くするための添加物を使っていて、これがけっこう高価だ。採算を考えると、今の規模でも毎月、12匹以上のブタを売らなければならない、がそれには母ブタが20匹くらい必要だ。母ブタがいつも12匹以上子ブタを産んでくれれば良いが、動物のことだから、5匹しか産まないこともある(それはそうだろう)。どんな商売も楽じゃありませんなぁーーー
養鶏はウイルスの危険があるから怖い!とF氏の話だが、動物を飼育して利益を上げるのは容易じゃない。病気が発生すれば被害は大きいし、出荷時期にきてブタが盗まれてしまえば、育て上げた苦労は無駄になる。だから、豚舎の良く見えるところに見張り小屋があった。ここで育てたブタは1キロ:100ペソ(普通は70ペソ)の値段が付くそうだが、それでも儲かる商売になっているとは言えない。ブタの値段が安いのに比べ、レチョン(ブタの丸焼き)は1キロ:250ペソ~350ペソもする。F氏のところでも注文があれば調理料:1000ペソでレチョンにするとか。これが一番確実な収入になるらしい。外国で商売を軌道に乗せるには苦労はつきものなんだろうが、F氏には是非、成功して欲しいと伝えて、車に向かって歩き始めた。
安藤達己的考察:フィリッピン系日本人・1)不法入国していたフリッピン人夫妻が13歳の中学生(国籍はフィリッピン)だけ残して、両親は国外退去となった。家族全員が定住権を認めるられるように、と多くの日本人が支援活動をしたようだが、行政裁量による決定は一家に取って厳しいものになった。
2)昨年、日本人男性から認知されているフィリッピン女性の子供に日本国籍が与えられた。これまで日本国籍が与えられるのは親が日本人と結婚した子供に限られていたから、これは大幅な国籍法解釈の変更だ。この変更によって、多数の日系二世が日本国籍を取得可能になる。
3)母親はフィリッピン人で日本人男性と結婚、日本で暮らしているが、子供は何故かフィリッピンで育ち、18歳になったところで日本国籍を選択。来日して飲食店で働いてはいるが、読み書きが出来ない。
4)父親は間違いなく日本人なのに認知もされず、フィリッピンで暮らすジャピーノと呼ばれる人が3万人以上も居るそうだ。この人達の国籍問題はどうなるのだろう?
5)上に書いたケースは20数年前、フィリッピン女性がエンターテイナーのビザを取得、日本のホテルやスナックで働くことが出来た時期の産物だが、フィリッピン・特にダヴァオ周辺では第二次世界大戦をはさんだ日系人(三世まで)問題が解決し切れていない。すでに6000人以上の日比・混血人が日系と認められ、多くは来日して働いているそうだが、現在申請中の人が4000人以上もいると言う。航空路線網の発達で、どこの国でも国際化は避けられないし、国際交流がもたらす明るい面も沢山ある一方、日本でも外国人による犯罪、違法滞在、無国籍児童と陰の部分もかなり見えて来た。定住権問題も行政裁量にゆだねるだけでなく、きちっとした指針を示す時期に来ているのかも知れませんね。
コメント
今、レッドクリフpart2が上映され、それに合わせてpart1もレンタル開始されてます。三国志で有名な赤壁の戦いですけど宦官たちに殺されて結果的に三国志のきっかけを作った大将軍・何進は肉屋で豚の屠殺の仕事をしてたのを妹の何皇后が時の漢の皇帝・霊帝に惚れ込んだ事から昇進したといいます。それがいい人生だったのかどうかは何進本人に聞かないとわかりませんが今のフィリッピン系日本人の問題は双方の話を聞く事が出来るわけで線引きをちゃんとしないといけませんよね。可哀想なのは残された子供達ですし父もこのニュースには「わかってる事だろうに・・・」と苦い顔をしてたのが記憶に新しいです・・・。
投稿者: gun_gun_G | 2009年04月17日 23:58
この記事で三国志の何進の話を書きましたが参考用に使ったHPの占いコーナーを元にちょっと変わった記事を書きました。この記事にコメントしなければ実現しなかったと思いますので何か不思議な気もしますが、ご興味がありましたら4月23日のMy三国志武将占いの記事をご覧頂けたらと思い再度コメントしました。宜しくお願いします。
投稿者: gun_gun_G | 2009年04月23日 15:22