ダヴァオ紀行:その34 パブリックマーケット(写真をクリック⇒拡大)
パブリックマーケットでは肉・魚・野菜・乾物・花、生活に必要なものは何でも売っている。卸専門と言うわけではなく、個人も買出しに来ている。市内には小綺麗で巨大なスーパーマーケットも沢山あるが、値段はパブリックマーケットの方が格段に安い。さすがに100万人の胃袋を賄っている市場だけあって中は野球場ほどの広さがあり、商品ごとに売り場が仕切られている。外は築地の場外市場を連想させるような露天が並び、車と人の多さは、まるでラッシュアワーのようだ。タクシーを拾ってやって来たが市場に近づくと、車が動かない。仕方が無いから200メートルも手前で降りて、暑い中をテクテク歩いて来たが、まずはその活気に圧倒される。歩道は雑貨と服を売る屋台が占拠していて、人がやっと歩ける幅しか空いてない。
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果物の町・ダヴァオらしく、熱帯特産のフルーツが、にわか作りのようなお店に、うず高く積み上げられている。この暑い中で直射日光を浴びている果物や、日陰でもすぐに萎れ始める野菜を見ると心配になるが、買う方はそんなことにお構いなしだ!主食の米も大半が輸入品で、細長いの(インデカ米)や丸いの(ジャポニカ米)が何種類も売られている。値段も1キロ20ペソ~50ペソと開きがあるが、日本米のように500円(250ペソ)なんて云う種類はない。それはそうだ、そんな値段で米を買える人なんてここには居ない。魚売り場では、海の魚も淡水の魚も同じ売り場に並び、店のおばさんが、せっせとヒモノらしき物を作っていた。
肉売り場の主役はブタ肉だ。ブタの種類が違うのか日本のものより小さくて、精肉にされるのは50キロ程度のブタだ。私もチャーシューを作ろうと1キロ位のブロック肉を買って、背アブラをそぎ落とし、出来上がったら、これがコラーゲンだった。肉は引き締まっていて、これは美味しい。それに比べると牛肉の方はいま一つだ!シチューを作ろうとバラ肉を買って、更に小さく切って煮ること2時間。アクは驚くほど出たが、ちっとも柔らかくならない。一切れ味見してみたが硬くて歯がたたない--私の歯のせいではありませんぞ(笑い)。ステーキハウスでオーストラリア・アメリカ・地元牛の三種類を頼んでみたが、地元の牛は固くて噛むのが大変だった。友人に聞いてみると、放し飼いに近い牛一頭の値段が10万円以下だと!それじゃーしょうがないっか。
ニワトリとアヒルが生きたまま売られているのには一寸驚いた!勿論、肉になっているのもあるが、生きたまま買えば、食べる時にツブセば良いから腐る心配は無い?!ここダヴァオでは、生きたニワトリをサバクのなんか普通の作業だ。売られているのはビサヤンチキンと呼ばれる地鶏で、養鶏所で飼われているのではなく、農家で飼われている。出荷される若鶏はスリムで2キロもない。放し飼いだから、自分でエサを探し、危険が迫れば矢のように飛んで逃げる。だから運動は十分過ぎるほどしている(笑い)。余分な脂肪が付いていないモモ肉はブロイラーの半分くらいのボリュームだが、筋肉質で味も歯ごたえも最高だ。日本のキジやヤマドリを少し柔らかくした感じで、このトリを一度、口にすると、やみ付きになる。私もダヴァオをへ行く度に、このトリを食べるためにバーベキュー(胸半分と手羽1本・モモ肉一本がそれぞれ一人前で、日本のように小さなトリ肉をクシに刺したのとは違う)通いをする。ダヴァオのヤキトリが無性に恋しくなってきた。そんなわけで、今回は日本と一味違う熱帯地方の”卸売り市場”風景を紹介してみました。
ダヴァオの誰とは言えないけれど:日本の商社でマグロの買い付けをしていたM氏、美人のフィリッピン人と結婚。ダヴァオでの生活が始まり、早速、M氏は計画通りマグロの仲買いを始めた。市場ではマグロの肉質によってA・Bランクに分けられていて、値段は3倍以上も違う。最初は自分の目で確かめて、仕入れから販売までこなしていたが、事業が拡大するにつれて奥さんの親類を雇うことになった。M氏は従業員が親戚だから、すっかり信用して仕事を任せたところ、利益が上がるどころか毎月、赤字になってきた。驚いたM氏がチェックしてみると、Aランクで仕入れた筈のマグロが売り物にならないほどひどいBランク!問い詰めると、漁師と親戚の仕入れ係りが共謀して肉質を偽装。M氏から大金を引き出していた。更に、別の漁師には、とっくに払った筈の金が渡っていない!無性に腹が立ったが、そこは日本男子。M氏は奥さんの親類が仕出かした詐欺行為をすべて清算。一文なしになって、一日200ペソでバナナ農園の過酷な労働に耐える身となった。その後、日本からの送金が届き、奥さんとの離婚も成立。今は、ささやかなお店を開き、現地女性と再婚して平穏な日々を送っている。それでも、どういう訳か、前妻とは今も友人として普通に付き合いが続いているそうだーーーさすが男の中の男!太っ腹ですなぁーM氏は。