快傑ライオン丸:死を呼ぶ吸血怪人ゾンビー(写真をクリック⇒拡大)
原作者・牛次郎のシナリオによる前回から分身魔王デボノバが出現、一段とパワーアップしたゴースン一味となった。今回は、これに吸血怪人ゾンビーが加わり、村人を襲っては血を吸い尽くし、この死体を隠れ家に運んで再生、ゾンビー軍団を増強して獅子丸の命を狙う話だった。冒頭から沙織、子助、獅子丸を襲う怪人ゾンビーと軍団。火の玉と戦うライオン丸と太刀回りの連続だ。獅子丸達が悲鳴を聞き、駆けつけてみると、吸血怪人ゾンビーに血を吸われた女の死体があった。沙織・子助が死体に花を供えていると辺りが急に暗くなり、土手下に身を隠して事の成り行きを見守っているとやがて元の明るさに戻り、ゾンビー達が死体を運んでいた。後をつけて行った三人は一味の隠れ家を発見。激しい太刀回りとなり、最後はライオン丸が吸血怪人ゾンビーを倒して次の戦いに向かうところで、この話は決着するがーーー
この回も獅子丸が左足首骨折で、動けない!それどころか何かに掴まっていなければ、立っていられない状態だった。ライオン丸役の俳優さんが吹き替えをしてくれていたが、激しい太刀回りは”吹き替え”がバレないようにカメラを引き(遠くから撮る)、本物はアップでおさえる。そこで苦肉の策として考え出したのが、刀をナメて(手前に刀だけを入れて)、移動しながらゾンビーを切りまくるカットだった。前回から愛用(?)している車椅子を使ったバストショットの移動撮影も使った。
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色々な手を使ってはみたが、肝心の獅子丸が立っているのがヤットでは、アップで撮る”太刀回り”も限られ、作品全体の殺陣が単調になってしまう。やも得ず、沙織、子助の殺陣を工夫して、シナリオ以上に出番を増やした。勿論、ライオン丸の出番も少々長くした。こうして、どうにか最後の決戦場となるゾンビーの隠れ家にたどり着くまでは繋いできたが、家の中では獅子丸の顔が見えるフルショット(一人の全身が入る)の殺陣が欲しい。幸い家の中だから照明を落とし、獅子丸に見える筈の”吹き替え”を使ったフルショット(笑い)・長回しのカットを撮った。勿論、バレそうな所に”はめ込む”獅子丸のアップも数カット用意した。快傑ライオン丸は変身忍者もので、殺陣をを売り物する時代劇だから、それでなくてもカット数が多くなるのに、今回は”吹き替え”がバレないためのカットや、本来無用のアップが増えたので目まぐるしくカットを重ねる作品になった。
今、改めてDVDを見ると、正面から撮った本物の(?)獅子丸が動き出し、カットを変えて後ろから”吹き替え”が動き出す”つなぎ”に一寸不自然な場面もあるが、兎にも角にも”ライオン丸”らしく仕上げることは出来た。放映に間に合わせるのがテレビ映画の宿命とは言え、つらい思いも十分味わいました。はい!(笑い)
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そんな訳で今回はライオン丸の出番を増やし、増えれた分は当然”太刀回り”だから、吸血怪人ゾンビーとの決戦では、今までになかった黒バックで異次元空間を連想させたり、吸血怪人の足なめ(足の間からのカット)で目先を変えて撮ったり、ネガのカットを使ったりと変化をつけた。あの手この手の描写(笑い)で監督としては、獅子丸の怪我による撮影制限が作品に出ないように工夫した心算だったがーー撮影当時、考えてもいなかったDVDなるメデアが出現。この回を何回でも見られるようになった今、獅子丸の怪我を気づかせずに、このエピソードを見せ切ることが出来ているのだろうか?
安藤達己的独り言:当時でさえ、成城学園を基点に、時代劇を撮れる場所は多くなかった。電信柱と舗装道路が無くて、田んぼのある所はもっぱら柿生で、馬が走れば拝島か青梅だった。このエピソードに出てくる農家も柿生にあった廃屋で、撮影には都合が良かったけど、もうとっくに取り壊されているだろう。そうそう、田園都市線に沿った関東ロームの丘が宅地造成中で、茶色の絶壁があったり、雑草だらけの空き地があり、人も滅多に来なかったので剣戟には絶好の場所だったっけーー最近はバラエテー全盛で子供向けの時代劇は滅多にないけど、東京近郊で時代劇を撮影出来る場所はもう無いのかも知れないなぁー