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ダヴァオ紀行:その16 ソウルズデェイ (写真をクリック⇒拡大)

ライスフィールド.jpgダヴァオと言えばまず、ドリアン・マンゴーなどの果物を連想する。フィリッピンと言えば、砂糖だ。昭和20年代、国民総生産高は日本と肩を並べていた。それが今、こんなに大きな差になったのは、砂糖の国際価格が下がり続けたのと、農地の解放を出来なかったことが主な原因になっている。近年、地球温暖化と原油価格の高騰でバイオエタノールに関心が高まり、砂糖やトウモロコシが原料として有望視され、お蔭でフィリッピンペソはドル・円に対して、かなり上がっている。もっとも、この恩恵は庶民には届かない!!
ちょっと郊外に出れば砂糖キビ畑とヤシの木はどこにもでもあるが、どうしても”田んぼ”が見たくなったので、ホテルから2時間ばかり車を走らせるとやっと稲作地帯にたどり着いた。青々とした水田と、収穫が終わって、雑草だらけの空き地が混在している。ここは熱帯地方だ。米はいつ植えても実るに違いない。
カラバオ.jpgたわわに実った稲と、水を張った水田が隣り合わせになっている景色を撮りたいから、もう一寸足を伸ばしてみたかったが、運転手が”これ以上、先に行くのは危険だ”と言うので、仕方なく帰途につく。ヤシの木陰で草を食む(はむ)水牛が、なんとも、のどかで異国情緒たっぷりだが、車を降りて写真を撮っている私を、運転手が急かせた!きっと、この辺も危険地帯なのだろう。現地の人でさえ、行きつけない場所で車を止めるのを怖がる。ミンダナオ島の現状を思い知らされる瞬間だ!私が車に戻るとかなりのスピードで走り始めた。1時間も乗っていると、ガソリンスタンドがあり、町らしい所に来た。来るときは気付かなかったが、細い路地の両側に屋台が沢山出ていて、溢れんばかりの人が集まっている。きっとお祭りか、縁日だろうと思ったら、今日は国民の祝日だ言う。車を止めてくれるか?と聞くと、快く応じてくれた。どうやら危険地域は抜け出していたらしい。
ソウルズデイ.jpgソウルズデイは日本のお盆だ。11月の1・2日は、家族そろって、先祖の墓参りに行く。肩がぶつかり合うほど込み合っている路地の奥に、あまり大きくない墓地がある。軒を連ねた屋台では、墓にそなえる生花や造花、線香から食べ物まで、色々な物を売っていて日本の縁日とそっくりだ。早速、カメラを取り出し、写真をとりながら墓地に向かうが、15・6歳の少年が私の後をピッタリついてくる。人波を縫って、ゆっくり歩いて行くが、私が店の前で立ち止まれば、少年も立ち止まる。振り返ると、目線をそらす。なんとも薄気味悪い。運転手が”カメラ”と囁いたので、慌ててカメラをポケットにしまった。
ソウルズデイー2.jpg後ろから押されるように、粗末な門を過ぎた。カソリック教徒の墓地だから土葬だ。一つ一つの墓が大きい。十字架の側に花が手向けられ、線香も白い煙を上げていた。それぞれの墓前で、ひざまずいて十字を切る人達が居る。牧師さんらしい姿は見あたらない。キリスト教については、知識が無くて分からないけど、ここにお参りに来る人達は、教会で”お祈り”と牧師さんの”説教”を聞いてから出掛けて来るんだろうなぁー。宗教は違っても先祖に対する”思い”は日本と同じなんだと知って、親近感を覚えました。
ふと、後ろを振り返ると、さっきの少年はいつの間にか居なくなっていた。

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