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2007年10月29日

ダヴァオ紀行:その16 ソウルズデェイ (写真をクリック⇒拡大)

ライスフィールド.jpgダヴァオと言えばまず、ドリアン・マンゴーなどの果物を連想する。フィリッピンと言えば、砂糖だ。昭和20年代、国民総生産高は日本と肩を並べていた。それが今、こんなに大きな差になったのは、砂糖の国際価格が下がり続けたのと、農地の解放を出来なかったことが主な原因になっている。近年、地球温暖化と原油価格の高騰でバイオエタノールに関心が高まり、砂糖やトウモロコシが原料として有望視され、お蔭でフィリッピンペソはドル・円に対して、かなり上がっている。もっとも、この恩恵は庶民には届かない!!
ちょっと郊外に出れば砂糖キビ畑とヤシの木はどこにもでもあるが、どうしても”田んぼ”が見たくなったので、ホテルから2時間ばかり車を走らせるとやっと稲作地帯にたどり着いた。青々とした水田と、収穫が終わって、雑草だらけの空き地が混在している。ここは熱帯地方だ。米はいつ植えても実るに違いない。
カラバオ.jpgたわわに実った稲と、水を張った水田が隣り合わせになっている景色を撮りたいから、もう一寸足を伸ばしてみたかったが、運転手が”これ以上、先に行くのは危険だ”と言うので、仕方なく帰途につく。ヤシの木陰で草を食む(はむ)水牛が、なんとも、のどかで異国情緒たっぷりだが、車を降りて写真を撮っている私を、運転手が急かせた!きっと、この辺も危険地帯なのだろう。現地の人でさえ、行きつけない場所で車を止めるのを怖がる。ミンダナオ島の現状を思い知らされる瞬間だ!私が車に戻るとかなりのスピードで走り始めた。1時間も乗っていると、ガソリンスタンドがあり、町らしい所に来た。来るときは気付かなかったが、細い路地の両側に屋台が沢山出ていて、溢れんばかりの人が集まっている。きっとお祭りか、縁日だろうと思ったら、今日は国民の祝日だ言う。車を止めてくれるか?と聞くと、快く応じてくれた。どうやら危険地域は抜け出していたらしい。
ソウルズデイ.jpgソウルズデイは日本のお盆だ。11月の1・2日は、家族そろって、先祖の墓参りに行く。肩がぶつかり合うほど込み合っている路地の奥に、あまり大きくない墓地がある。軒を連ねた屋台では、墓にそなえる生花や造花、線香から食べ物まで、色々な物を売っていて日本の縁日とそっくりだ。早速、カメラを取り出し、写真をとりながら墓地に向かうが、15・6歳の少年が私の後をピッタリついてくる。人波を縫って、ゆっくり歩いて行くが、私が店の前で立ち止まれば、少年も立ち止まる。振り返ると、目線をそらす。なんとも薄気味悪い。運転手が”カメラ”と囁いたので、慌ててカメラをポケットにしまった。
ソウルズデイー2.jpg後ろから押されるように、粗末な門を過ぎた。カソリック教徒の墓地だから土葬だ。一つ一つの墓が大きい。十字架の側に花が手向けられ、線香も白い煙を上げていた。それぞれの墓前で、ひざまずいて十字を切る人達が居る。牧師さんらしい姿は見あたらない。キリスト教については、知識が無くて分からないけど、ここにお参りに来る人達は、教会で”お祈り”と牧師さんの”説教”を聞いてから出掛けて来るんだろうなぁー。宗教は違っても先祖に対する”思い”は日本と同じなんだと知って、親近感を覚えました。
ふと、後ろを振り返ると、さっきの少年はいつの間にか居なくなっていた。

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2007年10月24日

菊人形:笠間稲荷神社 (写真をクリック⇒拡大)

カサマ・センロ.jpgJR・水戸線が小山と友部の間を走ってらぁな。笠間は友部駅から二つ目よ。これが、今時珍しい単線でさ、4両編成の電車を降りるってぇーと、遠くに見える丘まで二本の鉄路が続いてるだけで、取り立てて何もねぇ、殺風景なもんよ。人家も、まぁー申し訳程度にはあるがよ。ーー線路際にゃ”ブタ草”が黄色い花を付けてたなぁー。こんな、鄙びた景色を見たのは、いつのころだったか思い出せねぇー。オッ、そうだ!
小学校時代、学校から帰ぇって来たって、テレビもなければオヤツもねぇ、仕方が無ぇから、ガキ共が集まって”遊び”を工夫するわけよ。田んぼに水を入れる用水ってぇーのが流れててさ、途中に”関”と呼ばれる貯水池があって、水量を調節するってぇーわけだ。この池の辺りに来ると、遊ぶものにゃーこと欠かねぇ。木に登ったり、フナを釣ったり、トンボを追い掛け回したり。カエルでも捕まえようものなら、尻にストローを突き刺して、空気を吹き込んでさ、お腹が膨らんだところで”関”に投げ入れ、潜れねぇーカエルを的にして、石を投げつけたりしたもんよ。考えて見りゃ、残酷な”遊び”よなぁー。
近くに線路があってさ、単線で1時間か2時間に一本、貨物車や客車が通るわけよ。汽笛なんぞが聞こえる前ぇに、線路に耳を付けるってぇーと、レールの継ぎ目を汽車が通過する音がコトン・コトンと聞こえて来らぁーな。今、思えば、何が面白かったのか知らねぇーけどよ。当時は、飽きずに、こんな事をして遊んでたんだぁーな。今頃の時期だと、線路際に赤ぇ彼岸花が咲いててよ、味気の無ぇ風景のなかで際立ってたなぁー。
カサマ・トリイ.jpg小さな笠間駅を出るってぇーと、真正面に道があってさ、これがメインストリートだとよ。ところが、商店らしきものはまばらにしかねぇ。笠間焼きの店が2・3件と、古びたすし屋に呉服屋が目に入った程度だぁーな。有名な笠間稲荷のこった、さぞかし賑やかな商店街が続くのかと思ってたがよ、飛んだ思い違ぇよ。お蔭で日当たりの良い歩道を”お稲荷さん”に向かって歩いて行くってぇーと、行く手を2・3台の車にさえぎられたぁーな、ファミレスでもあるのかと思ったがよ、これがなんと24時間営業のクリーニング屋よ!?
1キロばかり歩いたところで右に折れれば、すぐ笠間神社の鳥居にたどり着く!ここは、流石に神社町らしい景色だぁーな。食堂だの、お土産屋が軒を連ねてさ、と言っても300M位の距離だがよ。目立ってたのは、大きな”駐車場”の看板だったなぁー。”菊人形”を見に来るったって、電車は1時間に1本しか走ってねぇ。その上、駅から1キロ以上も歩くとなりゃー、今時のこった、笠間神社に御用の”むき”は、ほとんどがマイカーで来るってわけだ。鳥居をくぐろうとしたところで、七五三の祝いに来たらしき親子連れと出合った。祝い事は遅れるより、早ぇー方が良いなんて、昔から言われてるがよ、これはちょいと、気が早過ぎらぁーな。
フウリン.jpgフウリンー2.jpgキセカエ.jpg
菊人形を見に来たんだ。入場料・800円を払って、”100年の歴史を持つ”が謳い文句の菊人形を拝まして貰うとするか。ーーいや、驚いたいっ!12景は全て、国営テレビ放映中の”風林火山”からの抜粋場面だぁーな。各場面毎に、長ったらしい説明がテープから流れてるがよ、あっしの見たとこじゃー、誰も最後まで聞いちゃいねぇー。七五三と重なるこの時期の菊人形展だ。日本の”昔話”から題材を取るなり、茨城県に伝わる”民話”を使うなり、もっと単純で分かり易くって、12景も見れば子供にだって理解できる題材にしたらどうでぇー。第一、風林火山と言ぁー山梨県だろうがーーなんでん、かんでん、”あやかり”みてぇーな、独創性も地方色も無ぇー出し物じゃ、味気ねぇこと、この上なしよ。
日本中どこを走っても街道筋で目立つのは、パチンコ屋にコンビニとスパーマーケットでさ、その土地独特の風情など、どっかに消えちまったなぁー。たまに出掛ける、あっしの田舎でもよ、行く度ごとに、都会のコピーみたいになって行く町を見りゃー、”やるせ”なく、なってくらぁーな。あっしは”笠間の菊人形”を見て、同じ”やるせなさ”を感じたなぁー

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2007年10月15日

ダヴァオ紀行:その15 射撃場 (写真をクリック⇒拡大)

ak16.jpgタンタンタン・乾いた音が、耳栓を通うして、かすかに聞こえた。ダンボールで作ってある人型にパッ、パッと穴があき、自動小銃の5連発が銃口をわずかに動かしたところで終わった。その間、わずかに1・2秒、実弾を撃った感激など感じられない位、アッケないと言えばアッケなく撃ち終わる。
ダヴァオの友人が射撃場に行こうと誘ってくれた。ホテルから30分程、車を飛ばすと人家も少なくなり、こんもりとした森が見えてくる。その方へ走るとコンクリートの門があり、そこを通り過ぎると従業員らしき若い男が駆け寄って来た。友人が窓を開けて二言三言・話してすぐに又車を走らせる。木で出来た、古びた粗末なテーブルのそばで車を止めると、すぐにオートマティックの拳銃と自動小銃を持ってインストラクターがやって来た。後ろから10歳位の男の子が二段重ねの木箱を抱えてきてテーブルの上に置く、箱の中を覗いてみると銃弾がびっしり詰め込まれていた。
マト.jpgインストラクターがピストルの弾倉を外して、男の子に渡すと、早速、銃弾を詰め始めた。”銃口は撃つとき以外は常に地面に向けること”。”ピストルは撃つ前にカバーをスライドさせて安全弁をはずすこと”。等を教わり、鼓膜を痛めないようにヘッドホーンのようなものと、目を保護するゴーグルを渡された。右手を軽く伸ばし、左手で銃底を支え、的に向かって構えてみると、ズッシリ重みが伝わってくる。引き金を引くとパーンと乾いた音がした。20M位先にある鉄の人型を狙ったのだが、当たった形跡がない。インストラクターが、すぐに来て、”銃をしっかり構えて、引き金は軽く引くように”と教えてくれた。弾は、的をはるかに外れて後ろの土手にめり込んだらしい。
今度は、”当てるぞ!”と3発連射してみる。かろうじて1発は、段ボールで出来た人型の肩の辺りに当たって小さな穴があいた。次を撃とうと、引き金を引くが引けない。インストラクターが飛んできてカバーをスライドさせ、引っかかっていた弾をはずして、拳銃を返してくれた。気合を入れ直して的に迎い、3発か4発撃つと、また引き金が引けない。どうやら、薬きょうを何度も使うので(これもリサイクルの内?)、ゆがみが出てスムーズに発射できないらしい(笑い)。さっきから、男の子が薬きょうを拾っていた訳が分かった!!
西部劇で”さすらいのガンマン”が、相手の銃を撃ったり、コインの真ん中を射抜いたりするけど、ありゃー、ウソだね!10M、離れて、撃つ方も、撃たれる方も動いていたら、まず当たりっこない。
ピストル.jpg20・30発、撃ったところで、自動小銃に持ち替えて、的の前に立つ、左側に”切り替えレバー”が付いていて、単発と5連発に切り替わる。単発で、銃底をしっかり肩につけて、左手で支えると、そんなに重く感じない。引き金を引くと、これはしっかり当たった。当たる感じは、はっきり分かる。”手応え”と言うやつだ。こっちの銃は弾が引っかかることもなくスムースだ(笑い)。合計で60発も撃つと、飽きてきた。第一、やぶっ蚊が沢山いて、半袖シャツだから、手も足もかゆくて仕方が無い。---
友人も潮時と思ったのか、アタッシュケースからベレッタ(自前のオートマチック拳銃)を取り出し、新品の弾丸(これは絶対に引っかからない!?)を弾倉に詰めると、競技スタイルで動きながら、的を撃っていく。まぁー、”ビリーザキッド”まではいかないが、流石に格好も良いし、殆ど命中している。日本ではピストルや自動小銃を撃つことは出来ないから、友人に感謝して本物の銃を撃たしてもらったが、蚊に刺されて、かゆい思いをしながら、お金を払うとなるとーーー今度、誘われたら”お断り”するしか、ないかなぁー(笑い)。

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2007年10月07日

ダヴァオ紀行:その14 サマール島 パラダイスアイランド (写真をクリック⇒拡大)

アウトリガー1.jpgパラダイスアイランドはダヴァオ市に近いサマール島の一角にある。この島には、沢山のリゾートが点在していて、一番人気なのが、このパラダイスアイランドだ。タクシーに乗ってパラダイスアイランドと言えば、渡し舟が出る海辺近くまで行ってくれる。タクシーを降りて、マングローブがある小さな川に沿って5分も歩くと、渡し船が待つ砂浜が見えて来た。この舟に乗れば、わずか10分足らずの航海でパラダイスアイランドに到着する。舟は3艘が、”行き来”していて、いずれもアウトリガーと呼ばれる竹のスキーのようなものが両側に張り出している小型船だ。静かな海をこの船が滑るように走ると、まるでアメンボウのようだ。アウトリガーが舟の安定に、どの位役立っているのだろう。一寸海が荒れると、舟は揺れるし、波に突っ込むアウトリガーがかえってスピードを落としているように思えたが、日本ではお目にかかれない姿、形だから、エキゾチィックで南洋的な雰囲気は充分に感じさせてくれる。
ハマベー1.jpg時刻表があるわけではなく、客が20人も乗れば満員で、直に動き出す。目的地が見る見る迫って来て、小さな桟橋に着く。御覧の通り海辺には木が茂り、プラスチック製の屋根なんか無くても充分木陰が出来る筈だが、今年は兎も角、ここ数年、エルニーニョだのラニーニヤが続き、木の葉が茂らず、結局美しい自然を台無しにするような景色なってしまった。
プライベイトビーチだから、入り口で入場料とテーブルチャージを払い、海辺に近い場所を占領する。砂も日本の黒ずんだ茶色と違い、サンゴの白い砂だ。見た目は綺麗だけど、細かい砂に成りきっていないサンゴを踏むと足の裏が本当に痛い。海水浴場は、まさか”サメよけ”じゃないと思うけど、あまり沖に行けないように網が張ってある。潮の満ち干で、海の深さが大分違うところをみると、海底の地形が複雑で、潮の流れはかなり速やそうだ。
以前は’釣り’も出来たのに、と言っても、小さな魚が数匹釣れる程度で、第一暑くて長い時間、’釣り’なんかしていられない(笑い)。理由は分からないが、近年釣りは禁止となった。
オミアゲー1.jpgバンドー2.jpg熱帯地方とは言え、海辺は涼しい。日陰の長椅子に寝そべって、ぼんやり沖を眺めていると、大きなフェリーボートがゆっくり通り過ぎ、小さな漁船も見える。冷えたビールを飲みながら、異国情緒に浸っていると、まるで時が止まった別世界に居るような錯覚に陥る。しばし、”まどろんだ”ところで、お土産でも探そうかと、こじんまりしたお土産屋さんを覗いてみるが、つやつやに磨き上げた貝・木彫りの人形・Tシャツと沖縄に行けばありそうなものばかりで、買いたいものは見つからない。水中メガネを貸して呉れる店があったので借りてみた。メガネを返す時に、返して呉れるがデポジットといって、かなりのお金を預けることになる。これを借りて、シュノーケリングして見ると、サンゴの周りに、ペットショップで売っているような小さな熱帯魚が沢山いる。こんなに浅い海でも、海底は思いのほか彩が美しい。どの位、色鮮やかな魚に見とれて水面を漂っていたのだろうか、砂浜の方を見やると、友達が大きく手招きをしていた。
強烈な陽光と潮風に当り、その上少しばかり泳いだので、いつになく空腹感をおぼえる。急いでテーブルに戻り、早速、昼食にとりかかる。メニューは、前もって注文しておいた地鶏のスープに野菜サラダ、ブタの串焼きと、取り立てて美味しい料理があるわけではないが、空気の澄んだ海辺で、まったり食べる食事はもうそれだけで充分、ご馳走だ。土・日は”老人バンド”?が、楽器を抱えてテーブルの間を縫うようにやってくる。ささやかなチップを渡すと、日本人と分かっているのか、一寸古いが”ここに幸あり”の演奏が始まった。チップの額にもよるのだろうが、トロピカルな曲を2・3曲演奏すると次のリクエストを探して去っていった。
スナハマー1.jpg満腹となったところで、砂浜の木陰に出しておいた長椅子に横たわり、ぼんやり静かな波打ち際を見ていると、若い、若いカップルが砂遊びをしていた。ここダヴァオの海辺は、日本と比べて極端に若者が少ない。ほとんど中高年で、特に小さい子供を連れたグループが多い。こんなに、さわやかなカップルは珍しいので、”馬に蹴られる”のを覚悟で(笑い)写真を撮らして貰ったが、男の子がはにかみながら、俯き加減な女の子の足に砂を被せている様子は、二人でいる時間が”幸せ”で仕方がないという雰囲気が漂い。誰もが経験する”初恋の甘酸っぱさ”を思い出させてくれました。
アメンボウの様なボート・風に揺れるヤシ・白い砂浜・エキゾチックだなぁー!

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