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2007年06月27日

ファイヤーマン:遊星ゴメロスの秘密

ゴメロスタイトル.jpgこの作品で若槻文三氏は、得意の社会背景には触れず、若い男同士に芽生えた友情をドライなタッチで描いていた。問題があるとすれば、遊星ゴメロスのロケ地を何処にするかだった。イメージとしては植物がなく、ゴツゴツした岩山にするか、白一色の砂浜にするか、しかないのだがーーー地球上らしくない岩山なら、当時、日立に銅を精錬した後のスラグが捨てられた、草一本生えていない場所があった。ここもロケ地として魅力的だったが、同時に撮っていた”ジュラ紀へ落ちた少年”のロケ地を房総半島と決めていたので、勝浦に近いところにある砂山を見つけ、このシーンは砂だけの背景で撮影することに決めた。砂の白:宇宙服の白:白で統一された映像を考えるとこの方がスマートに見えるとゆう計算もあった。
タケハラー1.jpg地球に異変が起きている最中に、黄色いワーゲンから長髪の美青年、竹原の登場だ。当時、男優が、好んで使った小道具、タバコの変わりに、得たいの知れない物を口に放り込む。これを格好良く決めて貰わないと、この小道具が後になって生きてこない。いよいよ本番となって芝居が始まると、監督から見ても思わず”カッコいい”といいたくなる身のこなし方だった。これなら、洒落た映像、シャープなカット割と編集でドライにスマートに男の友情を描ききれるだろう。
タケハラー2.jpg颯爽とSAFに入って来た竹原は、岬と葉山があっけにとられる程、格好良く通り過ぎてゆく。作戦室で、再び出会った岬と竹原は互いに投げ飛ばし合い。間に入った水島の紹介で、笑い合った二人に、相手を認め合う機運が芽生えた。いよいよ遊星ゴメロスに乗り込まなければならなくなったその夜、竹原は故郷の思い出を話しながら、例のものを口に放り込み、これを岬に差し出す。岬はこれを口にした途端、何とも言えない、渋い表情となり、苦笑い、二人の間に”本当の友情”が通い合った。これを伏線に、いよいよマリンゴンに乗り込む竹原が再度、この得体の知れないものを岬にすすめるのだが、口に放り込もうとして止める。この一寸、コッケイなシーンで”さりげなく”映画だから伝えられる、二人の友情と別れを表現したかったのです。
ゴメロスー2.jpg ゴメロスー3.jpg ゴメカイー1.jpg
竹原はマリンゴンでゴメロスに向かい。岬は地球に残され、再会を信じていたのだが、ゴメロスでは思いがけぬ出来事が隊員を襲い、竹原は命を落とした。このシーン:衣装も背景も白一色にして、悲しさ、よりもモノトーンの美しさを強調。岬の悲しみと、怒りが増幅され、ファイヤーマンに変身。ゴメロスに寄生する南京虫のような怪獣と対決。これを倒して竹原の無念を晴らすと同時に、身動きがとれなかった、マリン号を救出。ファイヤーマンに、遊星を守る怪獣を倒されたゴメロスは自らの意思で地球を離れ、青い星、地球は再び平和を取り戻した。
ゴメラスト.jpg夕景の海辺でケルンを積み、竹原の死を悼む岬。形見のロケットをそっと岬に手渡す水島。SAF隊員、全員が竹原に感謝を込めて、黙祷を捧げた。その時に、まるで竹原が天空から見下ろすかのように、陽光が雲間から、幾条もの光の筒となって降り注いでいた。
エピソード全体を通じてこのカットだけは、情感に訴える映像にしたかったのだがーーーーー

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(画像はDVDから転載、著作権は円谷プロに所属します)


2007年06月21日

あじさい:長谷山・本土寺 (写真をクリック⇒拡大)

ホンサンドウ.jpgホンサンモン.jpg今年は大分遅れたが入梅となった。皮肉なもんだがよ。気象庁が”ツユ”入りを宣言すると、夏日だの、真夏日が続かぁーな!まぁ、近いうちに本格的な雨が降るんだろうが、今年は雪が少なかったせいで、もう水不足が心配なんだとさ。話はそれちまったがよ、雨の似合う花といやぁー、なんたってアジサイだぁーね。そこで、常磐線、松戸の先にある本土寺を目指して、北小金とゆう駅で降りたぁーな。人の流れに乗って歩いて行くと、両側から木が張り出して、緑のトンネルが出来てらぁー。日光の杉並木が有名だがよ、あそこは杉だけだぁな。あのスケールにゃ比べようもねぇーが、ここは針葉樹の中に、桜だのナラだの、落葉樹が混ざっててさ、たかだか4・5百メートルの長さだがよ、気持ちのいい散歩道よ。20分ほど歩くってぇーと山門にたどり着く。長谷山とあるから、鎌倉のあじさい寺・長谷寺(ハセデラ)の親類かと思ったら、チヨウコクザンと読むんだとよ。日本語は難しくって、あっしの手にぁー負えねぇ。
ホンゴジュウ.jpg拝観料:500円を払って、まずは寺らしい、アジサイと五重塔を写真におさめる。それにしても’年寄り’が多いなぁ。あっしもその仲間だがよ。こうしてウイークデイに出掛けてみると、若い人は見あたらねぇ。年寄りったって、昔のじいーさん、ばあーさんと違って、皆んな洒落た服を着てさ。流行かどうか知らねぇけど、立派な一眼レフスタイルのデジカメと三脚。服装だってカメラマン風のグループが盛んにシャッターを切ってらぁーな。広くて、高低のある境内を色や形の違うアジサイを見ながら歩いて行くと急に視界が開けたい。
ホンショウ.jpg歩道の両側に咲き乱れる紫・青・赤・白のアジサイの向こうに、満開のアヤメで埋め尽くされた池が見えてきたぁーな。例年だとよ、先ずはアヤメが咲いてさ。これが終わりに近づくとアジサイの出番となる。その頃になりゃー、ツユも本番、”しのつく雨に恥らうアジサイ”なぁーんて、変化に富んだ日本らしい景色、風情になるんだがよ、今年は、両方が同じ時期に満開を迎えたってぇわけだ。まぁ、それはそれで、美しいことにゃ変わりはねぇ。時々射し込む太陽を避けて木陰を歩いてると、小さな池があってさ、皆は気づかねぇらしいが、スイレンがつつましく咲いてたわけよ。まぁー、こんな訳だからよ。今回は、あっしの撮ったアジサイとスイレンの花をじっくりと見てやってくんねぇ。
アジアオアオア.jpg アジシロ.jpg アジシロアオ.jpg

アジシロー1.jpg ハスー2.jpg アジピンク.jpg

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2007年06月18日

ダヴァオ紀行:その10 ダヴァオ市 (写真をクリック⇒拡大)

エアポート.jpgダヴァオ市は、マニラから飛行機で1時間半、かなり離れている上に、ミンダナオ島の最南端に位置しているので、国内第二の人口(120万人)を抱える巨大な市でありながら、あまり知られていないし、開発も遅れてきた。その一番大きな理由は宗教の違いが、中央政府との軋轢を生んで、問題を起こし続けたことにある。フィリッピン全体では90%の人がクリスチャン(殆どカソリック)なのに、ここミンダナオ島では30%が回教徒だ。回教徒の人たちは、フィリッピンからの独立を求めて対立してきた。ラモス政権(8年前)の時に、この問題は決着したことになってはいるが宗教問題はご存知のように、簡単に解決しない。これに貧困が加わって反政府組織(モロ・イスラム解放戦線:アブサヤフ:ニューピュープルズアーミー)がこの島の治安に影を落としている。
ブラックマーケット.jpg空港から約15キロ道幅も広い道路を走ると、突然、渋滞が始まり商店も密集してくる。広いダヴァオ市の中でこの一角だけが都会の顔をみせる。ホテルに落ち着くと、まずお金を現地通貨のペソに換えなければならない。普通の海外旅行なら、空港内か市中の銀行で換金するが、ここではブラックマーケットと呼ばれる場所でペソを買う。銀行より交換レートが良いからだ。この写真がそうなのだが、一見したところ洋服や靴を売っている店にしか見えない。だがこの一角にある店は全部・換金ビジネスが主な業務だ。
私も毎回、ここの世話になるが、たかだか10万円(現在1万円が4千ペソ位)を換金しただけでも、店を出る前に友人に頼んでタクシーをつかまえ、店の前に来たのを確認して、素早くタクシーに乗り込み、すぐ発車してもらう。この位、気を付けていないと、どんな事故に合うか分からない。この国は銃が合法的に持てるのだ!いくら親しい友達の前でも、無造作に大金(日本円で5万円は立派な大金です)を見せるのは盗んでください。と言っているのと同じことだ。
シチヤ.jpg イータリ.jpg サリサリストア.jpg
ごちゃごちゃした街中を歩いてみると質屋(Pawn-shop)がやたらに目に付く、日本のように消費者金融とゆう商売が成り立たない。銀行預金がある人もせいぜい10%程度、第一、銀行は個人になんかお金を貸してくれない。こうゆうわけだから質屋が庶民にとって大切な金融機関になっている。質ぐさは、携帯電話や貴金属が多いが、テレビ、炊飯器、ミシンとなんでも、それなりにお金を貸してくれるそうだ。まだ早朝で準備は出来てないが、お食事処(Eatery)は、家庭料理を三品位、ナベのまま、入り口のカウンターに並べ、客はフタを空けて中を確認して注文する。たいてい70~80円で昼食がとれる。勿論、夕食でも構わないのだがーーサリサリストアー(Sary sary store)と呼ばれる小さな、小さなコンビニみたいなとゆうか、駄菓子屋みたいな感じのお店で、売れ筋のものはたいてい置いてある。こんな店がやたらにあって、ひと事ながら売り上げが気になる。まぁー何もしないより、”まし”なのかも知れませんがーー
ここにある写真を見ながら、熱帯地方にある、発展途上国の町:ダヴァオを想像してみて下さい!

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2007年06月13日

堀切菖蒲園 (写真をクリック⇒拡大)

ショウエンナイ.jpg葛飾ったって、帝釈さまじゃねぇーんだ。フーテンの寅さんが、江戸川の土手を歩いて現れるんなら、こちとら荒川のたもとにある菖蒲園にひょっこりやって来たってぇーわけよ。春の花がきらびやかに咲き誇るのに比べりゃ、梅雨どきに咲く’あやめ’は、満開になっていても、ひっそりと控えめで、浮世絵に出てきそうな古い日本女性を感じさせらぁーな。

ショウムラ.jpgちょいと地味だがよ、良く見てみりゃぁー、紫の色合いだって微妙に変化しててさ、見るほどに、愛おしさが増してくらぁな。今時、めっきり少なくなったがよ、こんな景色の中を、白だの黄色だのの蝶でも舞って、周りの森から小鳥の声でも聞こえてみねぇー、そりゃー’おつ’なもんよ。
ガガクー1.jpg耳慣れねぇー音が聞こえてきたからさ、無粋なテントが張ってある所に行ってみるってぇーと、こいつぁー驚いた。昔ながらの衣装を纏ってさ、横笛:笙(しょう):太鼓で雅楽の演奏が始まったところだぁーな。この’調べ’をお偉いさんが陣取った、興ざめなテントが見えるところで聴くんじゃ、まるで趣がねぇ。耳だけは、そばだてながら、人気の少ない場所に移動して、淡い色に染められた’あやめ’だの’かきつばた’を眺めながら雅楽の音色に聴き入ってるってぇーと、突然江戸時代に迷い込んだ錯覚に陥ったぁーな。
ショウシロ.jpg大店のお嬢さんがよ、侍女と手代の2人も連れて、今、駕篭から降りるところよ。雨は落ちちゃいねぇーが、梅雨らしい、どんよりとした曇り空。無造作に下駄をつっかけた、素足の白さが目にしみらぁー。粋に着こなしたユカタの裾にゃー、季節をわきまえた’かきつばた’の絵柄よ。手代が花の良く見える場所に’花筵’なんざぁ広げてさ、立派な’うるし’塗りの重箱など並べてる頃にゃ、お嬢様は’あやめ’の近くに佇んで、侍女が差し出す短冊にさらさらと短歌など、ひとひねりしてるところよ。その指の白くて細いこと’白魚のような指’とはよく言ったもんだ。とまぁー浮世絵の世界にどっぷりと浸って居る時だぁーな、傍若無人のおばさん達が、デジカメや携帯を構えて、あっしの居る場所に押し寄せて来た。ぁーあだよ。本当によう!!

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2007年06月06日

ファイヤーマン:ジュラ紀へ落ちた少年

ジュラー2.jpg私がこの作品を撮る前に、ファイヤーマンの4話までが完成していた。大急ぎで、これまでの台本を読み、今回のヒーローは、ウルトラシリーズが他の天体からやって来たのとは違って、地底から地球を救うためにやって来たのだとゆう設定を頭に入れる。”ジュラ紀へ落ちた少年”は気心の知れた若槻文三氏の脚本で、7時台らしい、30分完結の作りになっていた。前4作品(両方とも前後編で完結するので2作品?)が、いずれも海底に眠っていた恐竜が海の異変で目を覚ます話になっていた。
ジュラショウネンー1.jpg一転してこの作品はジュラ紀が地底に蘇っていたとゆう話で、定番とはいえ、少年を軸に物語が進んでゆく。当時、高度経済成長の影で、大気汚染が大きな社会問題となっていた。酸性雨が森林に被害を与え、各地の銅像はこの雨で腐食が進み、原因不明ながら川では大量の魚が浮き上がり、夏日になれば、連日のように光化学スモッグ警報が出されていた。
ジュラショウネンー2.jpgこの大気汚染物質が濃縮され、ガスとなって岩を砕き、地底に巨大な空洞が出来て、そこに眠っていた恐竜がジュラ紀と共に蘇っていたとゆう話なのだが、地下数百メートルに落ちて行く少年達をどう撮るかが、監督として最も難しく、同時に面白いところでもあった。テレビ予算の範囲だから、大きなセットを組める筈もなく、出来上がったものは、高さがせいぜい3m位、幅6・7m、奥行き10m位のセットだった。これを使って、カットを重ね、三人が地底深く落ちて行ったように見せる。
ジュラー4.jpg更に合成とカットバックを組み合わせて、ジュラ紀らしい景色と、恐竜が迫って来る恐怖とで、ファイヤーマン出現の舞台を作り上げる。後は両者の格闘となり、最後はファイヤーマンの必殺技で恐竜が倒され、岬も少年や隊員と共にモグリアンと呼ばれる地底を進む乗り物で無事本部に帰還。その後、大きな地震と共に地下に出来たジュラ紀は姿を消していったのだがーーー

ジュラショウネンー3.jpg岬の運転するマリンカーで送られて、家路につく少年が、赤く色づいたカラスウリに縁取られた田舎の景色の中を歩いて、この美しい自然がいつまでも変わらないようにとのメッセイジをこめた心算だったのだがーーーこの作品が放映されてから35年。今、また光化学スモッグのニュースが新聞の紙面を飾り、快適さを求めて自然を省みない人間の生活が地球温暖化に拍車をかけ、この緑の星を蝕んでいるーーーー

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安藤達己的情報:岩がむき出しになり、そこを汚染物質が濃縮されたオレンジの液体が流れて行くシーン:マリンカーが地震で崩れてきた岩で立ち往生するシーン:ラストシーン:全て房総半島で撮影したものです。当時、建設ラッシュに沸いていた東京圏ではコンクリートに混ぜる砂利が不足してこの付近の岩山を崩して、粉砕していたのですが、この道はダンプ街道と呼ばれ、乗用車で走るのが本当に怖い道でした。

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(映像はファイヤーマンのDVDから転載、著作権は円谷プロに所属します)