怪奇大作戦:秘話 その4 こうもり男
昭和20年代から30年代:娯楽といえば映画。映画を撮るカメラといえば、ミッチェル。フイルムは35mm。正に映画全盛時代を謳歌していた。そこにテレビが割り込んできた。早速、TVドラマなるものが誕生。劇場のスクリーンに比べて、各段に小さなブラウン管に写す映像を35mで撮るのは”勿体ない”と制作会社は16mmフイルムに目を付けた。当時、16mmでドラマを撮るカメラがなかったので、土井ミッチェルと呼ばれるカメラを、新宿近くにあった町工場で作っていたのだが、これが大きくて、重くて、その上フイルムに傷がつくは、光線が入るはで、とても信頼できるカメラではなかった。
そこで登場したのがアリフレックスとゆう、元来ニュースを撮るための軽量カメラで、フイルムは100フィート(3分弱)装着できるように設計されていた。これでドラマを撮るには、しょっちゅうフイルムを入れ変えなければならず、都合が悪いので400フィート装填できる、マガジンなるものを上部に取り付け、TV映画の撮影が行われていた。なにしろ1秒間に24コマ撮影しなければ、スムースな動画にならないので、フイルムに傷がついたり、光線が入ったりする事故は避けることが出来なかった。さらに、フイルムを使って写真を撮っていた人は、ご存知のように、現像するまで結果が分からない。![]()
こうもり男は上原正三・脚本による復讐劇で、当時、大流行だったプラモデルと、リモコン操作のこうもりを作品に取り入れていた。暮れも押し迫った12月にクランクインしたのですが、まず冒頭:SRIの表で、こうもりに襲われるナイトシーン。ライテングも終わり、撮影開始の時間になっても、勝呂誉氏が現れない。制作部に聞いてみると、”連絡は取れているが、大空真弓嬢と新婚早々で”とゆう返事であった。
後は、待つ:しかないので、勝呂誉氏の到着を2時間ほど待って、このシーンを撮り終える。こうもりの操作に、多少時間を食われたが、ラグビー場や的矢家の描写、或いは茶室と変化があり、楽しみながら撮影も進み、いよいよ最終日、江戸川区にあった自動車処分場で、山場の撮影に入った。
日の入りの早い、冬の日なので、カット数の多いクライマックスも予定通りに撮り終わる。後は撮影済みのフイルムを現像場に送り、ラッシュの上がりを待って編集、そして仕上げに入る筈であった。ところが翌日:ポジの編集者から電話があり、すぐに円谷プロの編集室へ来て欲しいとゆうのだ。行ってみると、制作部も来ており、深刻な顔をしている。
”なんと!フイルムに光線が入っていて、半分以上が使えない”とゆうのだっ:現像所は今日から冬休み。放映日から考えて、リテイクは間に合わない。”使えるフイルムだけで、何とかして欲しい”とゆう話だった。編集者と相談しながら、あれこれ繋ぎ合わせてみて、何とか形を整えた。
この作品は、頭脳明晰な”こうもり男”が的矢所長を逆恨み。妻の命日に、所長と対決。うまくいけば相打ち。SRIの組織を相手に、最愛の妻を失くしたこうもり男は、生き残ることなど考えてもいないとゆう解釈をしていたので、出来上がりに多少の不満があっても、この作品の意図は伝わると信じて、放映日を待った。
安藤達己的内緒話:このドラマでは、119とゆう数字がキーになっていましたが:こうもり男の妻の命日1月19日が、決着の日に設定されていました。そして放映日が1月19日。この話の主役:的矢(原保夫)がその後11月9日に他界されたとゆうことでした。謹んで、お悔やみ申し上げます。
安藤達己的独り言:怪奇大作戦・セカンドファイルも終わり。この秘話も、これで打ち切りにしますが、円谷作品のDVD販売:動画モバイル配信と意欲的なデジタルウルトラプロジェクト:www.dupj.jp 一度訪ねてみると、面白い話に出会えるかも!
ブログランキングへ左のバナーをクリック:お願いします。
(画像はこうもり男のDVDから転載。著作権は円谷プロに所属します。アリフレックスの写真は”画像Qちゃん”から転用させて頂きました。)
コメント
録画しておいた「怪奇大作戦 セカンドファイル」を見ながら思ったことは、結局旧作のほうがドラマとしての出来が良い事をあらためて認識できた事でした、結局は「脚本」なんですね。
自分は映画(ドラマ)の構成は「脚本」「映像」「音声」の三要素(大きく分けて)だと思っています、「怪奇大作戦」は40年近く前の作品ながら新作の「セカンドファイル」と比べても遜色が無い作品だとあらためて認識できる作品でした、キャストに関しては鬼籍の方がおられる為にオリジナルキャストは不可能な為しかたがありません、あえて言えば「岸田森」に匹敵する役者が居ないのが残念だという事だけでした。
しかし旧作もニュープリントなのか映像が綺麗なので其れも嬉しかったです、頭とお尻が少し削ってあったのが残念でした。
投稿者: ざんぶろんぞ | 2007年05月11日 23:05
こちらのPCトラブルの関係でせっかくの監督のお知らせの確認が遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした。遅ればせながら記事に目を通してみましたが・・・フィルムが使えない!という事件が裏で起こってたとは!SRI出動要請!という冗談以上に大変な事態の中でこうもり男は構成されていったのですね。またひとつ勉強になりました!こうもり男には世間には色々と意見があるようですがGは放映時間ギリギリに倒されるこうもり男の展開には今でも好感を持ちます。あの展開は個人的に好きです。
投稿者: gun_gun_G | 2007年05月20日 11:18
新作は、どうにも自分には合いませんでした。 やはり旧作のほうが面白かったです…。 「こうもり男」は唯一の的矢所長編とでも言えますかね?。 119…なるほど、偶然にしては出来すぎですね。
投稿者: 映像秘宝館 | 2007年05月29日 22:18
安藤監督、初めまして。
旧怪奇大作戦は、円谷育ちの監督さんの作品ばかりなら良かったと思います。
ところで、円谷育ちの監督さんといえば、鈴木俊継さんの情報が殆んどネット上ありません。
1976年の作品が遺作との情報がありますが、そんなに早く亡くなられたのでしょうか?安藤監督がご存知の範囲内でお話頂ければと思います。
投稿者: オランダの薔薇 | 2007年05月30日 14:06