怪奇大作戦:秘話 その3 氷の死刑台
あなたはだぁれ?を撮り終えると、すぐに”ウルトラセブン”も最終回を迎え、円谷プロは次の作品”マイテージャック”と”怪奇大作戦”の準備に取り掛りました。一本しか監督をしていない私に、会社から助監督として作品に参加して欲しいとゆう要望がありました。若い上に血気盛ん?だった私は、この申し出に敢然として、抗議しました。同じ監督とゆう字を使いますが、監督と助監督では仕事の内容が全く違います。困った会社は、’その件については社長(円谷英二氏)と直接話し合って下さい’とゆうこよになった。勿論すぐに、社長にお会いして私の話を聞いていただきました。映画作りを良く知っている英二氏は’分かった!それでは会社から連絡が行くまで自宅待機していなさい。’とゆう結論になり、数ヶ月、天気がよければ、鳩ヶ谷の沼にフナ釣りに行き、気が向けば本を読み、映画を見る生活をしていたのですが、そんな折に会社からの電話で円谷一氏の助監督をすることになったのです。
若槻文三氏は、関西・ABCテレビで長寿番組・部長刑事のメインライターで、東京と大阪の仕事をこなし、当時では、滅多にない、飛行機で入ったり来たりの売れっ子作家でした。私はまだ、かけだしの新人監督で恐縮しながら、’氷の死刑台’の脚本を受け取りました。若槻氏は、さりげなく世相を作品に織り込むのが得意な作家で、当時世界中が脅威の目で、見ていた日本の高度成長の影で、会社に行けば、上司と部下のはざ間で苦労し、家に帰れば、子供の教育や住宅ローンに悩まされる中年中間管理職・そのストレスから開放されたくて、”蒸発したいよ(行方をくらましたい)。”が流行言葉になった背景を作品に織り込んでいました。
確かに面白い話でしたが、問題はマイナス70度の体温で、生きている人間をどう表現するかです。読むだけなら、読者の想像力に任せれば良いのですが、映像にするからには、映像にリアリテーを持たせなければまりません。この作品は、冷凍された人間をどう表現するかにかかっていたのです。まずはメーキャップです。次は冷たさを出すドライアイスの白煙の問題です。そしてカメラワークで細かく、マイナス70度らしい世界を描き出す。これらの難しい問題にメドが立ち、撮影は順調に進んで行きました。
歪んだ科学者の犠牲になった冷凍人間は、最後にSRIの新兵器で、溶けながら、燃えてゆく結末を迎えるのですがーーー
エピローグがこの作品では重要でした。現在もほぼ同じですが、宇宙旅行の可能性を考えてみても、新しい医療の分野でも、人体の低温保存は、近い将来どうしても解決しなければならない問題なのかも知れません。
改めてDVDを見ながら、映像化する難しさにも、こんな大きなテーマにも、恐れることなく取り組んだ、自分の若さが羨ましいような、恥ずかしいような、複雑な思いに駆られるのですーーー
安藤達己的独り言:怪奇大作戦のDVD販売だけでなく、動画配信や面白いプロジェクトに取り組んでいる:デジタルウルトラプロジェクト www.dupj.jp アクセスして見ると面白いですよ!私は Uoo プロジェクトが好きです。
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(映像は怪奇大作戦のDVDから転載 著作権は円谷プロに所属します)