怪奇大作戦:秘話 その1 第一話”差し替え”
寝耳に水:驚くような出来事が起きた。怪奇大作戦の第1話が、監督・円谷一:脚本・金城哲夫の”人食い蛾”から監督・飯島敏宏:脚本・上原正三の作品”壁ぬけ男”に差し替えられたのだ!TBSの演出部で実績を残してきた円谷一氏とウルトラマン生みの親・金城哲夫氏のコンビとなれば、誰もが、一目も二目も置く作品の筈であった。公式には、当時、社長であった特撮の神様、円谷英二氏が、特撮部分に納得出来ず、撮り直しとなり、放映に間に合わなかったのだと伝えられました。しかし、この作品に関わっていた人は、誰一人こんな話を信じは、しなかった。勿論、私も信じていなかった、いや、今でも信じていません。では、事実はどうだったのだろう?放映から38年経った今、当時を思い起こし、又、DVDを見た上で、私なりの検証をして見たいと思います。
”人食い蛾”は、人を殺す菌(鱗粉に混ぜて)をバラまく蛾を使って邪魔な人間を、殺してゆく、とゆう話で、人の顔が、手が泡に包まれながら溶けてゆく過程を特撮の見せ場にしていました。(私は、怪奇大作戦の中で、この様な作品をオドロ・オドロ路線と呼んでいました。後に私が監督する”氷の死刑台”もこれに属していました。)当然、蛾が、一番重要な役割を担います。今ならCGを使う手がありますが、この作品では、作り物の蛾を、操演が操るとゆう手法を取りました。この蛾が大問題でした。ある意味では、円谷プロの持つ長所・短所を知り尽くしていた筈の、金城氏・円谷一氏がこの手法に頼って、この作品を作り上げようとした、そのことに、無理があったように思えるのです!
大写しになった蛾は、どう見ても本物に見えなかったし、飛び方も不自然でした。更に、作品中、蛾に襲われた猫が、同じ死に方をするのですが、ここでは本物の蛾を使いました。更に、ラストシーンで本物の蝶を飛ばすことによって、作り物の蛾と本物の差が強調され、蛾がより不自然に見えてしまったのです。そうなると、外資が会社を買収するのに邪魔だった人を殺していたのだ、とゆう理屈も取って付けた様に聞こえたし、出だしの凝ったカメラワークでデスコの踊りをバックに、密談するシーンも冗漫に見えてくる。作品の評価とは、得てして、こうなるものなのです。
一方・”壁ぬけ男”はどうだったろう?
かってのイルージョニストが、高価な仏像を、宝石を、予告して、なお厳重な警戒網を、かい潜り盗んだ挙句:忽然と壁の中へ、コンクリートの中へ消えてゆく。その消え方を、特撮の見せ場にした作品で、丁寧な撮影と、凝った仕掛けで、視聴者を見事に不思議な世界に引きずり込んでいきました。(私は、この路線の作品を江戸川乱歩路線と呼び、私の監督した’こうもり男’も、これに属していました。)
この謎解きは、犯人(かってのイルージョニスト)がカメレオンのように周囲と同じ色に変わる布を纏っていたと、ゆうのだが、見る方が’そんな?!’と疑問を感じる前に、過去になってしまった栄光と拍手喝采を追い求め、イルージョニストが、常軌を逸して、精神的に崩れてゆくのをジッと見守る妻の、健気な夫への愛へ:そして、喝采を浴びる幻聴を聞きながら、湖底に沈むイルージョニストへの哀歓へ:引っ張っていった演出手法は、流石とゆう以外の言葉が見あたらない程の出来栄えでした。
この考察は、私なりの方法で試みたものですが、結論として、誰がこの決定を下したにしろ:”怪奇大作戦” 第1話の差し替えは、このシリーズのために、正しかったのだと思います。ただ、一時代を築いた、金城哲夫氏の心情に、思いを馳せる時、私の中に、どうにもならない”やるせなさ”が残ってしまうのも、又否定することの出来ない事実ですが!!
安藤達己的独り言:この怪奇大作戦DVD:その外、色々なことに挑戦している、デジタルウルトラプロジェクト:www.dupj.jp. とゆう会社:若いIT関連らしく、やる気満々で、とても気持ちのいい人たちの集団です。ホームページも特撮ファンにとって必見だと思いますので、是非、訪ねてみて下さい!
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(写真は怪奇大作戦のDVDから転載しました。コピーライトは円谷プロに所属します)
コメント
Gは怖いものが苦手ですが怪奇大作戦には社会ドラマという意味で支持しています。実は昨日バイト先のレンタルビデオ店でセカンドファイルの件もあり話題になっていたところなので今日記事が見れて本当に嬉しいです。第1話差し替えは勉強不足で知りませんでしたので貴重なお話が読めました。確かにちょっと切ない気もします・・・。今でもバイト先の倉庫には怪奇大作戦の古いVHS数本が保存されています。店長さんも大事にしているようです。名作ですね。
投稿者: gun_gun_G | 2007年03月10日 20:22
第一話の差し替えは有名でしたねえ、特撮の完成度は差し置いてドラマの出来は「壁ぬけ男」の方が良かったのは確かです、私は金城氏のファンですが「人喰い蛾」には特撮部分でガッカリしたのも事実です(ドラマとしても展開が強引過ぎた感じですし)、もっともCGに頼りすぎるのも本末転倒、じっくりとドラマを見せて欲しいものです。最後にYOUTUBEの「セカンドファイル予告」を貼っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=VV_phPTr8-8
投稿者: ざんぶろんぞ | 2007年03月12日 18:05
怪奇大作戦記事の記事UP楽しみにしておりました。 第1話の差し替えはプロデューサー側の指示とか、何かの書籍で読みました。 怪奇大作戦の脚本は、金城氏よりも上原氏や佐々木氏のほうが…怪奇大作戦とは如何にした物語なのかというのを理解していたようです。 金城氏脚本の「吸血地獄」にも言えますが、金城氏は怪奇大作戦を古典的なスリラー物という認識だったのかもしれません。
投稿者: 映像秘宝館 | 2007年03月14日 00:41
こんばんわ。第一話の差し換えの経緯は色々な推測や噂を見て来ましたが、やはり内部の方の言葉は格別ですね。結果として様々な顔を持つシリーズとなった「怪奇大作戦」ですが、金城氏の様により娯楽性を打ち出そうとした作品がもっとあっても良かった気がします。
勝手ながら、この記事の紹介とトラックバックをさせていただきました。失礼いたします。
投稿者: マッドハリケーン(日々閑話) | 2007年03月14日 23:03